この章ではいよいよErlangを使って並列プログラミングを行ないます。
プログラムを並列に実行するとは、逐次的なプログラムを同時にいくつも実行するということです。 逐次的なプログラムのことをプロセスと呼びます。 つまり、並列プログラムはこのプロセスを同時に実行するものだと言うことができます。
並列プログラミングにおいて、各々のプロセスが全く関わらずに実行されるのはあまり難しくありません。 なぜなら、「ヨーイ、スタート」と言って後はそれぞれのプロセスが好き勝手に走り回るだけだからです。 逐次的なプログラミングとの違いはあくまでも、並列処理を開始するという部分だけです。
しかし、たいていの並列プログラムにおいてプロセス同士は協調して作業を行う必要があります。 他のプロセスが今何をやっていて、それに対してどのような振る舞いをすればいいのかということを プログラマが意識してプログラムを作る必要があるのです。
この章では、「どのようにして並列処理を行なうのか」、「それを協調させるにはどのようにすれば良いのか」 また、「並列処理で例外が起きたときはどのように対処すれば良いのか」ということを扱います。